【書評】やさしく学ぶ データ分析に必要な統計の教科書

やさしく学ぶ データ分析に必要な統計の教科書書評
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マーケティングに統計学の知識が必要という風潮になったのは、個人的な感触から言うと、「統計学が最強の学問である」がブームを巻き起こしたあたりからじゃないかなぁと思っています。以降、デジタルマーケティングを中心に、数字に対して知見を持って向き合おう、という流れができあがったのは確かです。

ただ一方で、相関や多変量解析を用いれば将来予測ができるのではないかといった、機械学習に見られる過度な期待止まりの方々も多くいらっしゃるのも現状ではあります。データサイエンスを嗜む上では、やっぱし最初の一歩は、母集団の特徴を正確に表し、事前と事後で正しい比較ができるところからはじめるのが大切です。

そのために必要なのは、優れた解析ツールではなくエクセルでも十分というか、最初はエクセルからはじめるくらいが丁度いいわけで、その行動一歩一歩を優しく解説しているのが、本書「やさしく学ぶ データ分析に必要な統計の教科書」になります。

とある企業の三社員による、ストーリー仕立ての統計解析入門

統計学の本には、名称や意味、それらの計算方法だけを扱ったものも少なくありません。それはそれで無駄もなくていいわけですが、統計学の一番の問題点は「覚えてもどこで活かせばいいかイメージが沸かない」ことではないかと思います。

僕はとある大学における「データサイエンス講座」で「統計基礎」の講師を行ったことがあります。その内容は実際の企業のデータを用いてエクセルで解析をしながら、その事業における次の一手を考える、といったワークショップ中心の講座だったのですが、受講生の感想として

授業で習った時は理解したつもりだったが、それがどこに活かせるのかまでは分かっていなかった。

ワークショップを通して、仕事で統計をどう活かせばいいか分かったことが一番の収穫だった。

といった声を多数いただきました。統計学は、ただ学んでもその活用のポイントまで理解するのは、かなりの難易度なのです。

そこで、この三名それぞれの立場における発言や行動を通して、現実感のある統計学を学ぶことができます。

全ての手法でエクセル関数を紹介

統計における数式で、簡単に理解できるのは算術平均くらいです。平均に対するバラツキを求める「分散」や「標準偏差」でさえ、文系の方にはとてもハードルが高く感じられるのではないか?と思います。

重要なのは計算できることよりも活用できること。そんな難しい計算は、エクセルに任せてしまいましょう、という事で、この本で紹介されている全ての手法で、エクセル関数が紹介されています。

このWEBPLAでも「やりなお数学」と第して、統計基礎の各種法とそれぞれのエクセル関数を紹介していますが、要はその手法が何のためにあり、それをエクセルでどう求めるか?が分かれば、実践はできてしまうものです。

結構便利な索引用語集

最後の最後で驚いたのが、索引が用語集としてかなり充実していること。これを見ているだけでも、気になった用語のページを確認してみようという気にもなりますし、実務で困った時のリファレンスとして利用できます。これは非常に便利です。


人によって統計学をはじめる時期はそれぞれかと思います。その時にあまり難しい本から入るよりは、実践重視かつその後もお供としてずっと利用できる本書を、まず手にとって見てはいかがでしょうか?

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