改訂2版 データサイエンティスト養成読本(技術評論社)

  • 2016年8月24日
  • 2023年4月1日
  • 書評

初版の発売は2013年と3年前ですが、データサイエンス分野を学ぶ最初の一冊として重宝できる書籍です。

統計解析には様々なツールがありますが、GUIベースのサービスを選択するか否かはさておき、「R」はもっとも基本的なツールとして活用されているかと思います。そしてプログラマでなくとも、その知識を更に深めようと、Pythonに力を入れる方も少なくないと思われます。

その時に重宝できるのが「データサイエンティスト養成読本」です。

とはいえ、それほどプログラミングスキルに偏ったものではなく、マーケティング要素も高め内容となっています。データサイエンティストの基本スキルセット紹介からRやPython、決定木やk-meansといった統計的な話、mixiにおけるデータマイニング手法などが展開されています。

その辺りは「データサイエンス」をうたっているだけあるのでしょうか。エンジニアリングスキルにとどまらず、広く概念を学べると言った方が適切のように思われます。。

実際にR Studioが使えるようになったか?と言われると、本書でサラッと触れた後、オンライン学習でハンズオン的に手を動かして覚えたようなものなので、しっかり学びたいのなら別のコンテンツも併用するのがよいかと思います。

難易度は、全くプログラミングや統計知識がゼロだと厳しいかもしれませんが、「現状のマーケティング活動に対し、新たな知見や予測を得たい」と思う方ならピッタリな内容じゃないでしょうか。

データマイニングや機械学習を用いたマーケティングは、実際は裏側のロジックよりもそこで得た予測から行動パターンを増やす事が大事なところもあります。この手の書籍で分析手法を理解した上で、その手法を用いるツールで行動して見るのも良いかと思います。

装丁や紙質が月刊誌的であるため、もう少し保存版的でよかった気もしますが、ボロボロになるまで読み直しつつ、データサイエンスをしっかり自分のものにしていくことを想像すると、十分な内容ではないかと思います。

書籍情報

タイトル改訂2版 データサイエンティスト養成読本 [プロになるためのデータ分析力が身につく! ]
出版社技術評論社; 改訂2版 (2016/8/25)
発売日2016/8/25
大型本168ページ
ISBN-104774183601
ISBN-13978-4774183602